副業推進の世の中に

人手不足を背景に、副業人材を受け入れる企業や、自社従業員のスキルアップを目的に副業を推奨する企業が増えてきました。 
今後の人材活用策の1つとして検討する価値はあると思います。 
日本では、過重労働や情報漏洩の防止を理由として、就業規則で二重就労を禁止する企業が大半です。 
厚生労働省が公表しているモデル就業規則でも「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」とされていました。 
ただ、法的な根拠は存在せず、各社の規程に基づき労使間ルールとして運用されています。 
このような中、厚生労働省が「働き方改革実行計画」を踏まえて、副業・兼業の普及促進に舵を切り、本年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を公表しました。 
さらにモデル就業規則でも「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる」と改めました。180度の方向転換です。 
この副業に関して、エン・ジャパン株式会社が35歳以上の転職経験者を対象に実施した「副業(パラレルキャリア)」についてのアンケートによると、約3割が「現在、副業をしている」と回答しています。 
このアンケートで興味深い点は、「副業が本業で役に立ったことがある」と回答した人が54%もいることです。 
具体的には、「指導する側から指導される側となり部下育成の参考になった」「副業で得た知見を、本業での取引先との関係構築に活かせた」などの意見があります。 
中小企業では副業による弊害が先に立ち、副業容認に踏み出せないケースが多いですが、前述のようなメリットを得られる可能性があれば、副業容認に向けて検討する価値はあるのではないでしょうか。 
また同時に、就業規則、労働条件、人材活用の仕組み、仕事の進め方を少しずつ見直し、魅力ある会社作りに取り組むことをお勧めします。 
一生懸命努力する従業員を信頼するように、真剣に働きやすい会社作りに取り組む姿勢が、従業員のロイヤリティを高めるはずです。 
労務管理も、小さな改善を継続することが重要です! 

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【記事提供元】————————————————–
中小・ベンチャー企業の人事労務サポート
社会保険労務士法人プレシャスHR
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サンライトビル4F
特定社会保険労務士 尾花正生
http://www.roumu-enter.com
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※文書作成日時点での法令に基づいて執筆された記事です

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