製造スタッフの仕事内容は？
必要な資格・経験や将来性について徹底解説！

製造業は、人々が生活の中で使う「もの」をつくる仕事です。私たちの生活は、日々さまざまな「もの」に支えられて成り立っています。

食べ物や洋服、文房具、家電、パソコン、自動車、飛行機など、これら生活に必要なもののほとんど全てを作っているのが製造工場です。製造工場と一口に言っても、たった1つの部品を専門に作る工場もあれば、部品を組み立てて製品を作る工場や、製品を組み合わせて1つの商品を作る工場、商品の包装をする工場など、さまざまな役割を担った工場ががあり、製造している商品の種類も異なります。

では、製造工場で働く「製造スタッフ」は、具体的にどのような仕事をするのでしょうか？

製造業界での仕事に興味をお持ちの方へ向けて、製造スタッフの業務内容や必要なスキル、将来性についてお伝えしていきます。
 

 

製造スタッフの業務内容は？

製造スタッフとして製造工場に就職をすると、どんな製品の工場でも、最初に「ライン作業」を任せられる場合がほとんどです。

「ライン作業」とは、ベルトコンベアの横の所定の位置につき、流れてくる製品に対して特定の作業をおこなうというもの。主な作業内容は、製造や加工、組み立て、仕上げなどです。
例えば、金属を加工してネジをつくる、部品を組み立てて自動車をつくる、お弁当の容器におかずを詰めるなど、取り扱う製品や工場のタイプによって作業内容自体は本当にさまざまですが、1つの製品を作る工程をたくさんの人で分業しているため、1人分の作業自体は、簡単で単純なものが多いです。

誰でもできる作業なので、製造スタッフには、スピードと正確さが求められます。工場の生産力をアップする、つまり、精度を保ったまま、作業スピードを上げ、時間あたりの生産個数を増やすために、自らのやり方を工夫し、作業効率をアップするのも、製造スタッフの仕事の1つです。

ライン作業のほかに、できあがった製品の「検査」をしたり、商品を工場内で「運搬」する仕事もあります。

これらの現場作業で経験を積むと、現場監督やマネージャーといった管理のポジションにステップアップすることも可能です。

製造スタッフになるために必要な資格や経験は？

製造スタッフは、未経験でもOKな場合がほとんどで、誰にでもチャレンジしやすい仕事の1つ。製造工場は、取り扱っている製品も工程もさまざまなので、あなたの興味のある工場を選ぶのがおすすめです。

特殊な技術や専門知識が必要な作業、例えば、金属の加工や自動車の組み立てなどは、資格や経験が必須な場合や、あると優遇される場合があります。
また、製品の運搬などの仕事がある工場では、フォークリフトでの作業ができる、フォークリフト運転技能者の資格取得、あるいは、フォークリフトの運転講習や特別教育を修了していると優遇される場合があります。

現場監督やマネージャーなどの管理系のポジションは、製品の知識や製造の経験が必要になる場合が多く、未経験での募集はほとんどありません。取り扱う製品や工程の作業の経験が無い場合には、現場作業の製造スタッフとして就職し、実際の業務の中で経験を積んで、ステップアップを目指すのが一般的です。

製造スタッフの将来性は？

製造スタッフの仕事は、上でもお伝えした通り、基本的に、簡単で誰にでもできる単純作業が多いです。そのため、気になるのは、AIや機械による完全自動化で、近い将来仕事が無くなる可能性があるのではないかということ。
結論から言うと、ここ数年で完全に仕事がなくなってしまうということは無いと考えられます。繊細な加工、検品などには、職人さんたちの熟練の技や人の手、目による細かなチェックがまだまだ必要ですし、製造工場の完全自動化には、莫大な費用ががかかるからです。

しかし、これから何十年か先の未来には、現場作業の製造スタッフの仕事がなくなってしまう、あるいは、特殊な技術を持ったごく少数向けの仕事になってしまうという可能性は大いにあります。
ですから、製造スタッフとして就職し、製造工場で長く働き続けようと考えている場合には、現場監督やマネージャーなどの管理系ポジションへのステップアップを目指したり、担当する製品や工程に関わる資格取得を進めて、自分自身のスキルをアップさせていくことが必須になります。

製造に関わる資格の中でも、加工技術や電気関係、管理者系の資格は、製造工場以外の仕事にも役立つものが多く、転職を考える際にも有利になります。これらの資格取得を目指す場合には、実務経験が受験資格になっている場合もありますので、あらかじめ資格取得を前提にした職場を選ぶのもおすすめです。