【社労士が解説】「働き方改革」と派遣労働者

「働き方改革」という言葉に明確な定義はなく、概念で捉えるならば、「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指す」といったところです。

そして、現時点での具体的な施策を挙げるとすれば、

  • テレワークをはじめとする、場所に捉われない働き方
  • 裁量労働制や変形労働時間制を活用した柔軟な労働時間体制
  • 残業規制や有給取得促進によるオーバーワークの抑制
  • 正規雇用と非正規雇用との待遇格差の禁止

ただし、これらを派遣労働者に当てはめようとするといくつか課題が浮かび上がってきます。

上記施策の一つである「正規雇用と非正規雇用との待遇格差の禁止」については昨年4月施行の改正労働者派遣法で実行されました。おなじみの「同一労働・同一賃金」です。

これで派遣労働者の同職務における賃金格差は外見上解消したと言えます。

しかし、その他の施策についてはどうでしょう。プロパー社員同様に派遣労働者にも、というのは実態として難しいのではないでしょうか?

指揮命令体系をしっかり確立しなければならない派遣労働にテレワークや裁量労働というのはしっくりきません。

また、変則的な労働時間を設定するのも、計画的に有給休暇を消化させるのも、雇用主である派遣元事業者にて労使協定が結ばれていなければなりません。

昨今のコロナ禍で「自社社員だけテレワークで、私たち派遣社員は現場出勤を強いられている。これは明らかな差別だ。」なんて声をよく聞きます。

でもそれは決して意地悪ではなく、前述のような理由があるからなんです。

ただし、こういった不協和音を放っておくと職場の士気が下がるだけではなく、様々な労働問題に発展しかねません。

今まさに社会不安の真っ只中、働く人たちは想像以上に心を擦り減らしています。

ならば、こんな時だからこそ、派遣先、派遣元ともに協力して、職場環境を整えるいい機会と捉えるのも良いのではないでしょうか。


社会保険労務士法人トップアンドコア
代表社労士   西崎 透
新宿本社 東京都新宿区西新宿1-25-1 新宿センタービル46階
HP:http://www.topandcore.com/index.html

※文書作成日時点での法令に基づいて執筆された記事です

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