パワハラに関する法律ができるか否か


先日、厚生労働省が労働政策審議会の雇用環境・均等分科会に対して、パワハラ防止のための対策案を示し、年内にはパワハラについて法制化するか否か結論を出すと発表しました。ここからも分かるように、現在パワハラに関する法律はありません。セクハラは1997年、マタハラは2017年に法整備されました。現状では、パワハラは企業が負う安全配慮義務の中で対策しなければいけないと考えられています。 

パワハラ対策が重要課題ということは次の点から明らかです。「個別労働紛争解決制度の施行状況」によると、「いじめ・嫌がらせ」の相談が断トツに多く、全体の23.6%を占め、毎日約200件の相談が寄せられています。 

それにもかかわらず法整備が進まない理由として、前述の分科会では次のような意見があります。 

・パワハラかどうか判断が難しい中で、措置義務について法制化すべきではない 
・ガイドラインすらない現時点では、まずはガイドラインの策定と周知啓発が必要 

逆に、法制化すべきという意見も上がっています。 

・ハラスメント根絶のために禁止規定と措置義務が必要 

・措置義務は、定義がそれほど厳密でなくとも企業の手続きの中で事例が積み上がり、定義のあいまいさがフォローされていくことが期待できる 

労務管理の専門家としては、どちらの意見も納得できます。しかし、法的強制力のないガイドラインによって予防する場合、労使の積極的な協力体制が必要となります。パワハラ問題がおきていない多くの職場では、その対策に取り組む必要性を感じないかもしれません。しかし、ひとたびパワハラ問題が発生すれば当事者間のみならず、周囲の士気が低下して有能な人材が他社へ流出することも考えられます。現状の人材不足を考えると、これからは従業員をより一層大切にする時代です。つまり、労務管理については今まで以上に予防に力を入れる必要がありますので、問題が起こる前に社内整備を行うための法制化がベターと考えます。 

なお、パワハラについては、厚労省の「明るい職場応援団」というサイトがオススメです。是非、パワハラのない職場作りの参考にしてみて下さい! 

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【記事提供元】————————————————–
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特定社会保険労務士 尾花正生
http://www.roumu-enter.com
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※文書作成日時点での法令に基づいて執筆された記事です

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